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プロジェクト達成のお礼と今後の予定について
- この度は、古き良きバリを守ろうとするペジェン・カンギン村のプロジェクトにご賛同、ご支援いただき誠にありがとうございました。
2021年10月31日をもちまして、当プロジェクトは無事終了させていただきました。
皆さまからの温かい応援のおかげで、目標金額の50万円を達成し、572,500円となりました。
現在、ペジェンカンギン村のイカット工房では、リターンのイカット製品の製作を進めております。イカット職人がひと織りひと織り手で織ったイカットを、縫製職人がひとつずつ手作りでポーチやクッションカバーにしていきますので、製作にお時間をいただくこととなりますが、製品ができ次第発送してまいりますので、いましばらくお待ちいただけますようお願いいたします。
現在のバリ島ですが、感染者数は減少しており、またワクチン接種率は、他エリアよりも高くなっております。その状況を鑑みて、インドネシア政府は2021年10月14日にバリ島の空港の国際線受け入れを再開させました。
しかしながら、まだ離発着便はなく、以前のように旅行で訪れるお客様でにぎやかになるには、まだ少し時間がかかりそうです。そのような状況の中でも、ペジェン・カンギン村の人たちはもちろんのこと、バリ島の人たちはいつでもお客様を受け入れられるように準備を進めています。いつか皆さまともバリ島でお会いできることを楽しみにしております。
コロナ禍で世界中が大変な状況の中、温かいご支援をいただけましたこと、誠にありがとうございました。
今後こちらのページにて進捗状況などを更新していく予定です。
引き続きよろしくお願いいたします。
A Two Travel and Tours 川上由紀 -
このプロジェクトのポイント
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急速な観光開発が進むバリ島で「古き良き農村」の風土や文化を守り続ける村の活動とは?
コロナで逆に気づかされた「村が代々受け継いできた伝統文化」の素晴らしさ
復活したインドネシア伝統の絣(かすり)織物「イカット」とは?
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観光村ペジェン・カンギンと出会うきっかけ
- バリ島を拠点とする、現地発着ツアーの企画やホテルの手配などを行っている日本人向けの旅行代理店「A2トラベル(A two Travel and Tours)」の川上由紀です。
私はバリ島と縁があり、大学への留学や異業種に従事していた時期を含めると、25年の付き合いになります。その間、現地の人とふれあいながら、島の変化も見て来ました。 -
- 観光立国を目指すインドネシアには、その土地ならではの伝統文化を体験できる公式の観光村(デサ・ウィサタ)がいくつもあります。いわゆるリゾート地とは異なり、村のありのままの暮らしに触れられるユニークなスポットです。今回紹介するペジェン・カンギン村も観光村のひとつで、伝統家屋や昔ながらの田園風景が残っています。
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- A2トラベルとこの村との出会いは2020年1月で、日本の某大学から「バリ島で農村体験をしたい」とリクエストを受けたことに始まります。私どもが、ふさわしい農村を探していた時に、ペジェン・カンギン村の存在を知り、視察することになったのです。
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ウブドの奥に残る古き良き村が目指すのは「持続可能な観光村」
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- 観光名所のウブドから車で約20分、丘を越えてペジェン・カンギン村に入ると、ひときわのどかな田園風景に。緑が濃くて空が大きくて、どこか懐かしい景色が広がっており、最初に訪れた時から“古き良き村”という印象を抱いています。
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- ↑アグン山を背景にした田園風景
- 有名な観光名所とは異なり、昔ながらのバリ島を感じることができます。田園では、タイミングによっては、日本では見ることができない、青々とした田んぼと収穫間近の黄金の稲穂を左右で同時に見ることができるなど、バリ島ならではの独特な景観を楽しむことができます。
村民たちも魅力的で、初対面にも関わらず、終始ニコニコしながら身内のようにもてなしてくれます。 -
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- ペジェン・カンギン村は2019年の春に観光村として認定されました。村長のマデさんは、ただ単に観光客を増やそうとしているのではなく、バリ島の自然と文化、さらに住民の暮らしを守る「持続可能な観光村」をつくろうと活動されています。例えば、ホームステイを作ることによって、土地(耕作地)のリゾート施設への転用を防げ、景観や農業の維持につなげると同時に、各家庭の収入源を作ることを計画しています。村民が積極的に村の繁栄に関わる機会を作ろうとしています。
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- しかし、観光村として観光客の方々を迎え入れようと準備していた矢先、コロナウィルスの流行が始まりました。村民もコロナの影響をダイレクトに受け、失業者が増えました。現在は、バリ島へ観光客がいつ戻ってくるのかも分からず不安な状況が続いていますが、村長のリーダーシップのもと、今できることを地道に取り組んでいる最中です。
コロナが収束した時に、ペジェン・カンギン村が観光村としてスムーズに旅行者を迎えられるよう、何か支援できたらと思い、今回クラウドファンディングを立ち上げました。 -
- ペジェン・カンギン村オンラインツアー(JATAオンラインツアーグランプリ受賞作品)
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バリ島が抱える景観&失業問題にも屈しない!
- バリ島ではコロナ禍となる前から外国人向けの別荘が次々と建てられてきました。豊かな田園風景がなくなり、別荘地と化した田畑もあります。そのような土地では生態系にも影響がおよび、かつて普通に飛んでいたホタルが姿を消し、幻想的な景色も失われています。また、バリ島の農村では、田園に沈む夕日も名物のひとつですが、宅地化された以上、そこでは情緒ある夕景鑑賞もできません。
インドネシアの中でも、とくにバリ島は観光業が盛んです。島民の8割くらいがホテルやスパなどの観光業で生計をたてていましたが、2020年の春からコロナの影響で観光客は激減し、報道によると7万5千人もの人が解雇されたそうです。
ペジェン・カンギン村は昔ながらの景色を残していますが、村長マデさんは、田畑を手放す人が増えないか心配しています。バリ島から美しい景色がどんどん失われていくと、旅先としての魅力に欠け、将来的に旅行者の減少を招くのではないかと危惧しているのです。
ペジェン・カンギン村が自然・文化・暮らしを守る「持続可能な観光村」として軌道に乗れば、それがモデルプランとなり、ほかの村の未来にも繋がるのではないかとマデさんは考えています。
彼は村長になる前に、ホテルや海外で働いていた経験があるからか、様々なアイディアを持っていて、コロナ禍でもやれることをひとつひとつ具現化しています。
例えば、バリ島ではゴミによって美しい景観が汚されていることが問題になっていますが、ペジェン・カンギン村でもゴミが問題になっています。そこでまずは、村に観光客を迎え入れるために、その改善からスタート。この取り組みも非常にユニークで、プラスチックゴミ4kgと米1kgを交換できる仕組みを構築しました。その結果、村民は積極的にゴミを拾うようになり、村がきれいになったと同時に、村民の家計を助けることにもなりました。 -
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- また、オンラインでのライブツアーの実施にもチャレンジ。陽気な日本語ガイドが、田園や伝統家屋などを巡りながら、村の魅力を解説しています。たまたま居合わせた人に声をかけ、いきなり村民が登場することも。実はこのオンラインツアーが注目され、NHKからの取材を受けました。メディアで取り上げられたということは、新しい観光モデルとなる可能性を十分に秘めているのだと思います。
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- 人気の日本語ガイド ゴロー(写真右)
- このように、コロナ禍においても新しい収入源を見出してはいるのですが、なかなかまとまった資金を集められてはいません。コロナ禍がいつまで続くか分からない中、村では観光にばかり依存しているわけにもいかないと、伝統工芸「イカット」の復活にも乗り出しています。
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伝統織物イカット&幻のモチーフがまさかの復活
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- イカットとはインドネシアの伝統的な絣の織物です。仕上がりのデザインを想定して多色に染め上げた糸を使うため、特別な技術を要します。
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- ペジェン・カンギン村でもイカットは織られていたのですが、時代とともに観光業に従事する人が増え、1995年に村内でのイカット作りが消滅してしまいました。村長のマデさんはそこに目を向け、コロナ禍で伝統工芸の復活に尽力。幸いにも、高齢の女性数人が当時の技術を覚えており、若者たちへの継承が実現しました。現在は30名ほどの職人が順調に育っており、多彩なイカットを織り上げています。
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- ↑イカット工房の様子
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- イカットのデザインは幾何学模様や動物柄などの定番のほか、その村にしかない伝統的なモチーフも存在します。この復活プロジェクトにより、25年間ほど幻となっていた、ペジェン・カンギン村のモチーフ「グガンビラン」も蘇りました。
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- グガンビランのクッション
- それは、ビンロウの実をイメージした四角い穴が点々と並ぶ独創的なデザインで、今見てもモダンです。なお、もともとポトンギギという成人の儀式で使う神聖な帯のモチーフなので、気品もあります。
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- ゆくゆくは、様々な柄のイカットをオンラインで販売することも視野には入れているようですが、何をするにも元手が必要となるため、まだ夢の段階です。
ペジェン・カンギン村は資金不足という現実に直面しながらも、明るく建設的に物事を進めており、その努力が実を結ぶことを願わずにはいられません。このクラウドファンディングを通じて、みなさんに少しでもご支援していただけると、彼らが基盤を築くことができます。 -
集まった資金の使い道&その理由
- 支援金は達成額にあわせて、以下のように使わせていただきます。
①50万円に達成した場合
・ビレッジツアー用の自転車代
・リターンのイカット制作費と配送費
補足:メインとなるアクティビティのビレッジツアーは自転車を使いますが、現在は村民が協力し合って私物を提供している状況です。バリ島では自転車が高価なため、なかなか購入できずにいます。 -
- ②100万円に達成した場合
上記①の内容に、以下が加わります。
・ビレッジツアー参加者など訪問者用のトイレ造成代
補足:村内には公衆トイレがありません。現在は村を訪れた人たちに、民家のトイレを使用してもらっています。今後、観光客の増加を想定すると、トイレの造成も課題のひとつです。 -
- ③150万円に達成した場合
・バリの暮らしを体験していただくためのホームステイ用施設のリノベーション代(トイレとシャワールームの改装材料費・人件費・設備費含む)
・リターンのイカット制作費と配送費
補足:訪れる方に快適な滞在をしてもらうために、宿泊用の施設を整えることが最終的な目標です。その建物は独特な門や壁をもつ伝統家屋内に位置し、その家の家族や村民との交流ができます。いずれは教育旅行にも活用予定で、訪問者、村民の双方が異文化を学ぶ機会が生まれます。 -
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イカット製品など多彩なリターンを用意
- 今回のクラウドファンディングは13種類のリターンがあります。
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- 最大の特徴は、イカット製品を選べることでしょう。定番のランチョンマットやコースターのほかに、このクラウドファンディングを機に考えた新作のポーチやクッションカバーもあります。柄の選択が行えるオーダーメイドとなっており、支援してくださった方のために、職人が心をこめて織っていきます。新作は中に物を入れることを考慮し、しっかりした裏地付きです。
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- また、バリ料理が好きな人のために、全日本グルメランキング大賞に輝いた「エスティバンクラブ」が手がけるグルメセットも用意しました。本格的なバリ料理7種類を、自宅にて気軽に楽しめます。皮付きマンゴーシャーベットも含まれ、デザートまでしっかり堪能できるセットです。
そのほか、ペジェン・カンギン村内の道に自分の名前がつく、珍しいリターンもあります。村での通称で公の道路名にはなりませんが、名称プレートも設置。景観に配慮するため、小さめのサイズですが、一生の記念になるでしょう。
主なものを紹介しましたが、バリ島で人気のコスメセットもあり、バラエティ豊かな選択肢になっています。なお、リターン無しのシンプルな応援プランも選択可能です。 -
村では農作業や祭りを村民と一緒に体験できる!
- 世界的に環境への意識が高まり、グリーンツーリズムやサスティナブルツーリズムが注目されていますが、ペジェン・カンギン村はまさにその類に入ります。
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- 田んぼは2~3期作なので、日本とはまたひと味異なる田園風景と出会え、希望すれば農作業の体験もさせてもらえます。青々とした田と黄金色の田が隣り合わせになった、神秘的な光景と出会えるかもしれません。
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- 村内のヒンドゥー教の寺院では、新月や満月の日など定期的にお祭りがあり、地元の人と一緒に参加することも可能です。そんな美しい自然と文化を楽しめる、ペジェン・カンギン村へのご支援をよろしくお願いいたします。そして、コロナが収束したら、ぜひ村に遊びに来てください。
- 最後に、村長Made Astawa(マデ アスタワ)さん(下の写真)から預かったメッセージで締めくくります。
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- ■コロナ禍の間、ペジェン・カンギン村ではどのようなことをしてきましたか?また、コロナ収束後はどのようにしたいですか?
このコロナ禍は、私達に与えられた短い休息だと考えています。その間、私達は、バリ島が最初に世界中でどのように知られていったのかを思い出し、バリ島観光の質をさらに高め、ゲストに本当のバリ島を見てもらうための準備をしています。
特に文化に関しては、イカットを復活させることができました。
コロナ禍が終わったら、観光村プロジェクトの更なる推進、特に観光村開発の中心となるホームステイを実現させていきたいと願っています。 -
- ■伝統織物イカット復活について
2020年4月初旬、コロナ禍の影響により失業する村人が増える状況を見たある外国人が村人のプトゥさんに「バリ島が観光業で栄える前にしていた仕事はなんだったのか?」と尋ねたことがヒントになりました。
プトゥさんは、観光業に従事する前、機織りをしていたので、仲間を集めて、イカットの技術を復活させようと村の女性たちに声をかけ、2020年5月10人の女性でイカット技術の勉強をスタートさせました。現在では職人は30人まで増えています。 -
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- ■ペジェン・カンギン村をどのような観光村にしたいですか?
私の夢は、ペジェン・カンギン村を、各家庭のホームステイがゲスト用のサービスセンターとなり、ゲストは村に滞在する間まるで自分の家族と一緒にいるような気分を味わったり、村にあるすべてのものを体験してもらえるライブリゾートにすることです。 -
- ■今回のクラウドファンディングに向けてメッセージをお願いします。
このコロナ禍は、私達の夢を止め、前進することが非常に困難になっています。
私達は、観光客受け入れ再開後すぐにでもお客様を受け入れることができるように「持続可能な観光村」作りを進めること、特にペジェン・カンギン村で最初のホームステイを作ることを心の底から願っています。
最初のホームステイが誕生し、やがて村のすべての家にひとつのホームステイを作ることができるという夢が実現し、将来の村の経済的推進力になるまで、村民全員で力をあわせてがんばっていきたいと思っていますので、ぜひ支援をお願いいたします。