-
はじめまして
- こんにちは。南アルプス棚田を愛する会代表の上田睦美です。
山梨県南アルプス市中野の棚田地区で生まれ育った私は、学校から帰って来ると両親やご近所さん達が汗水流して農作業をする姿を見ながら、その隣で野の花を摘んでおままごとをしたり野うさぎを追いかけて山の中を走り回り、寒い季節は太陽の熱で温まった石積みをよじ登ったりと自由に育ちました。
子供ながらに遊園地よりも楽しい遊び場である棚田は、生活の糧の源であり、遊び、仕事、暮らし、楽しさ、辛さ、幸せは常に隣り合わせ。
「自然を大切にする事は生活の糧を大切にする事。イコール、自分を大切にする事。」と感じていました。 -
-
- 目を閉じると、私の幸せの原風景は野の花の優しい香りと、むせぶように青々しい桑の匂いを漂わせながら、今もそこにあるように目の前に広がります。
時間がたった今も、こうして幸せの原点であるこの田んぼと畑に立っていられる事が幸せで感謝しています。
私が幸せで平穏に暮らせるこの場所から、平穏なココロと身体で暮らす術(すべ)をお伝えするため、農業体験民宿運営やハーブ教室や棚田を守る会、石積み技術の伝承活動など、様々な活動をしています。 -
-
-
-
プロジェクトのきっかけ
-
- 私は中野の棚田で生まれ育ったものの、富士山と棚田の風景も、日本のハーブが豊富に自生していることも当たり前の日常として捉えていました。
その尊さに気が付いたのは結婚を機に県外で暮らした事がきっかけで、更にハーブを学んだ事で雑草だと思っていたのが何種類もの日本のハーブだったと知り、改めて豊かさはずっと側にあったことを実感しました。
ただ、現在は生活環境も変化し、今後の棚田存続に関しては心配なことがあります。 -
-
- 人々の主食の半分以上は小麦となり、お米の需要が減ったことで全体でみると棚田の約4割は休耕田になっています。
後継者不足や高齢化もあり、耕作している田んぼが今後減少すると水路が途絶えて下流の田んぼに水がいかなくなってしまいます。
下流に水がいかなくなることで、果樹園に供給する農業用水が減ってしまうことや、絶滅危惧種のアカハライモリをはじめとする蛍などの水辺の生き物たちが減り、生物の生態系が崩れてしまうことも予測されます。
田んぼの水鏡に映る逆さ富士など、現在見れている景観まで変わってしまうと感じています。 -
- 棚田の基盤となる石積みのメンテンスも、以前は農業の一環として冬場に各家々で近所と協力し合い、崩れた箇所を自分たちで直すこともできていました。
しかし兼業農家の増加で石積み技術を伝授する時間が減り、石積み技術を知っている人の高齢化もあり、技術の伝承が難しくなっています。
石積みを修復する専門の方も地域には一人となってしまい、このままの状況だと、直してくれる人がいなくなり、自分でも石積みを直せない。という棚田の保全にかかわる事態になるのが目に見えます。
南アルプス市の棚田を後世に残したいと、講師をお呼びして石積み活動もしています。 -
- 今後の活動には多くの方のサポートが必要だと感じ、一緒に自分たちの手で保全できるよう、まずは中野の棚田について知ってほしいと思っています。
景観だけでなく、周辺の環境にとっても棚田の保全は必須と感じており、クラウドファンディングプロジェクトへの挑戦が、その一歩になればと思っています。 -
-
唯一無二の中野の棚田の素晴らしさを知ってほしい
- 江戸時代から耕作されていたと言われる中野の棚田は、先人たちが機械の無い時代から立地条件の悪い中、山間地にある小さな田んぼで汗水流して家族のためにお米作りを続けた結果です。
ここに住む人達が先祖代々伝わる叡智と苦労を引き継ぐ選択をし続けたおかげで、いまの景色になり残っているのです。
作業の合間には腰を伸ばして眺める富士山や甲府盆地、北は茅が岳までの眺望に癒され、標高約620mから見下ろす街並みの小ささに人間のちっぽけな存在を感じ、悩み事も吹き飛びます。
中野の棚田の上部には、断層(糸魚川静岡構造線)が通っていて、大地の切れ間から噴出するミネラルや地球のエネルギーを浴びて、癒され活力が沸いてくるのを実感します。 -
- 中野の棚田米は、スカイツリーとほぼ同じ標高約620mの山間部で朝晩の寒暖差があり、南アルプス山脈からのミネラルを含む清らかな水が流れ込んでいる豊かな土壌で育まれています。
この豊かな恵みで、甘味の素となるデンプンがたくさん蓄えられた美味しいお米が出来ます。
中野の棚田では昔ながらの「牛」と呼ばれる棒に稲刈りした束を一束一束掛けて天日干しをしています。
どこか懐かしさを感じる風景はもとより、稲の養分がお米に浸透し、太陽と風、自然乾燥されたお米は一粒一粒にうま味や甘味がギュッと濃縮されて炊いたときの香りこし、つやの素晴らしいご飯になります。この干した稲束を一束一束脱穀機に通して一粒一粒の籾にします。
稲わらは、長いまま果樹や野菜、ハーブなどの草・寒さ除け、保湿のマルチングに使ったり、細かく刻んで田んぼに撒いて発酵させて天然の堆肥として田んぼにすき込み土壌改良、養分の補給、地力の増進に使います。
このお米つくりが続くことで、棚田の風景は守られます。今後もお米つくりができるよう、今回のクラウドファンディングではこの脱穀機と稲わら切カッター購入費用の一部に充てたいと思います。 -
- ※亡父から譲り受けて壊れてしまった脱穀機
-
リターンについて
- プロジェクトご支援のお礼として、中野の棚田の魅力を詰め込んだリターン品をご用意しました。
私が運営する南アルプスサンクチュアリーガーデンにご宿泊いただける方には、直接中野の棚田の魅力をお伝えいたしますし、大地の恵みが詰まったとれたてハーブのワークショップや農業体験も可能です。
・中野の棚田で取れたお米「棚田ほしほたる」
・中野の棚田の景観画像
・稲わらで作ったリース、ホウキ
・南アルプスサンクチュアリーガーデンハウス宿泊券 -
-
資金の使いみちと今後の夢
- 中野の棚田の景観を後世に残すためにも、お米農家が田を耕しお米を作り続けることが大切です。
皆さんからいただいたご支援金は、あまり出回っていない中野の棚田の貴重なお米をこれからも作り続けるため、亡父から受け継ぎ古く壊れてしまった脱穀機・稲わらを肥料にするための稲わらカッターの購入費用の一部に充てさせていただきます。
棚田を愛する会メンバー全員で使わせていただきます。 -
-
- プロジェクトは今後の夢実現の第一歩とし、使っていない蚕室をリフォームして棚田を訪れる人たちの拠点(宿泊施設・カフェ)をつくり、棚田米や薬草の商品加工場もつくりたいと思っています。
棚田地域全体を通して人と人が繋がり、癒され、心がすこしでも豊かになれるような場所を提供していきたいです。 -
-
-
応援メッセージ
-
JA南アルプス市 五味広子さん
-
- 地元JAに勤務する五味広子と申します。
この度は、ご縁をいただきJA南アルプス市女性部の加工品を返礼品に選んでいただきありがとうございます。南アルプス市産の果物を使い素材の味を生かして無添加で安心安全にこだわって作っています。
むーちゃんにもJA女性部員として加工作業にも参加していただいてます。
私も地域は違いますが棚田で稲作を営んでいます。年々周りに休耕田が増えていくのを見るのは悲しいことです。
田んぼには、春になると土筆が頭を出しタンポポやレンゲの花が咲き田植えが終わるとオタマジャクシがスイスイ泳ぎカエルの合唱が始まります。夏には、清々しい緑色の稲の下に沢蟹やアカハライモリが田んぼに住み着き秋には、黄金色の稲穂、畦道には赤い彼岸花が咲いて冬は一面に霜が降り静かな朝を迎えます。
四季折々の美しい残したい日本の原風景です。
先人が続けて来た日本人の主食でもある稲作は、陸の豊かさを守り、水田は水の濾過機能もあります。山と海は繋がっています、海の豊かさも守り、生き物や環境にも役立っています、まさにSDGsに繋がる活動です。
東に富士山を仰ぐ美しい棚田の風景に魅せられます。ぜひ後世に残していきたいと思います。
棚田を愛し守っていく活動をしている「南アルプス棚田を愛する会」を応援させていただきます。