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プロジェクト目標達成のお礼
- この度は、ポリネシア航海協会所属の航海カヌーHOKULE‘Aの次の航海に、そして我々日本航海協会の活動にご賛同、ご支援を頂き大変ありがとうございます。
先週、終了まで2週間を残して目標額を達成し、以後も継続してご支援が続いている状況です。目標額を達成できたことはご賛同頂いた多くの皆様、そしてこのクラウドファンディングを運営して様々なサポートをして下さるZenesチームの皆様のお陰です。
目標額を達成できたことに増して感謝していますのは、現時点で230名という本当に沢山の皆様のご支援があったということ、そして1200件もの“いいね”等の応援を頂いたことです。
これはとてつもなく我々の大きな力になっております。早期達成でNEXT GOAL設定や期間延長のご提案を頂いたところですがこのまま当初の予定通りの日程で終了させて頂きます。
この連休中にすでにメンバーで返礼品の送付を始めており、すでに週末には7割ほど送らせて頂きました。体験型や一部の返礼品は引き続き準備中ですので今しばらくお待ちください。
引き続き我々の活動を応援頂ければ幸甚です。いつかご支援いただいた皆様とお会いできる日が来ることを夢見ております。重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました! -
はじめに
- ~星を道標に大海原を繋ぐ~
ホクレアの新たな旅、環太平洋航海”MOANANUIAKEA”が始まる
皆さま、こんにちは。日本航海協会の理事を務めている奥知樹と申します。
「勉強する意味を見出せない・・」普通高校に入ったものの早々に退学。その後に職場の方から「君は高校は行ったほうがいい」との声。結局、選んだのが全寮制の商船高専。そこから今の僕の全てが始まったのではないかなと思います。
東京商船大学卒業後から2019年まで、日本の船員教育機関である航海訓練所(現海技教育機構)にて日本丸と海王丸の帆船始め、練習船で教官、航海士そして船長をしていました。現在は、NPO活動に力を入れるため早期退職し、水先人(ハーバーパイロット) をして生活していると同時に、ポリネシア航海協会の所有する「ホクレア」という伝統的な航海カヌーのクルーの一員です。 -
- (パワースポット大御神社を背景に奥さん)
- ホクレアがハワイからミクロネシアを経由して2007年に日本に寄港した際に、日本の海の知識を教えてほしいと声がかかったことがきっかけでホクレアとの繋がりが始まりました。
その後、2008年からハワイの海でクルートレーニングに参加しながら航海を続け、2014年から2017年にかけておこなわれたホクレアの地球一周の計画では、インド洋横断(レグ14/バリ~モーリシャス)の航海をクルーとして担当しました。
そしてこの度、そのホクレアが1976年のハワイからタヒチへの初航海の50周年を記念して、再度2022年から2026年まで環太平洋航海をすることが確定し、日本にも寄港を予定しています。日本にホクレアを迎え入れるためには、日本の各港の情報や水路などを記した海図や気象海象調査、現地日本のクルートレーニングなど、様々な準備が必要です。その準備の一端をサポートしているのが、僕が代表を務めている「日本航海協会」です。この活動をより多くの方に知っていただき、応援とサポートをいただければ嬉しいです。
みなさんと一緒にホクレア寄港を盛り上げたい!! -
「人生はまさに航海」日本航海協会について
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Q. 日本航海協会を始めたきかっけはなんですか?
- 実は21歳の時に帆船日本丸で実習生として航海をした帰りに、いつか必ず航海を軸にした海の学校(プロの船員のためではない学校)を作ろうって決めていました。それに向かって行くために、大学に行って運輸省航海訓練所に迷わずすぐに就職!それからほぼ28年間、航海士を職として海の知識を教える仕事をしてきました。当初、海の学校の目標と展望は西洋型帆船を使うことを考えていました。しかし、維持費等を継続して確保することの難しさから、「日本では長く多くの人に伝えていくのは難しいのかもしれない」と悩みました。
その時に出会ったのがホクレアでした。初めてホクレアに出会った時に、頭で考えず心から「これだ!」と思ったんです。今もホクレアから学び、ホクレアについて行っているというのが正しいかもしれません。
ですから日本航海協会はその延長にあり特別ではない。いわば海の学校を作るという目標の一つのステップです。 -
- 僕たちの目標は航海を続けることです。
そして志を同じくする人たちを航海で繋げて行きたいのです。
今だけのためや、自分だけで終ってしまうビジョンしか見えないときは進まない。
自分達の代で終わるのではなく100年続けることができる土台を作ることができれば必ずそれを引き継いでくれる若い子たちがいると信じています。
だからくじけずに、少しずつですが前に進めています。そういう意味ではすでにいろいろな航海が始まっています。 -
Q. なぜ宮崎の日向で実施をしているのですか?
- その当時は横浜に住んでいました。どこで立ち上げるべきなのか、相当長い時間悩みました。
ホクレアに出会って、沢山のことを学びましたがその中の一つに、自分たちはどこから来たのかということに無関心になっていないかという問いがありました。それは個人的な祖先をも意味しますが自分の住んでいる国、自分の住んでいる島のことを正しく知るということでもあります。
それを考える過程で、出てきたのが神話であり古事記や日本書紀という書物です。これらの記述についてはいろいろと議論があるかも知れません。
しかし、ここには航海に関する記述が確かにあるのです。宮崎県の美々津からお船出した航海者たちが東に向かって“日本”をまとめて行ったと。
我々大人がもう一度、一から色々と学びなおして準備してこの地から航海をスタートさせよう!そう決めてこの地を選びました。 -
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星の航海術~Wayfinding~
- Star Navigation(星の航海術)やWayfindingという言葉を聞いたことはありますか?
航海の基本は自分が今いる場所を知り、進む方向を決めるということです。
今では時計やコンパスはもちろん、GPSも常に設置されているため、ほとんどそれらに頼り切って日々航海が行われています。しかし、これはほんの最近のことで、航海を始めた人たちが頼りにしていたのは、脈々と祖先から積み重ねて受け継いできた膨大な知識と、自然の声です。
「星の航海術」とは・・・
コンパスなどの近代計器を使用せず、星や太陽の動き、雲や風の変化、風浪やうねりなど自然からのサインを読み取って航海をする航海術です。
現在使われているコンパスの代わりに使うのが「スターコンパス」です。
それぞれの島にその島独特のスターコンパスが存在します。コンパスには星たちが水平線から昇ってきたり水平線に帰ってゆく場所(方向)や島からの目的地の方向、その島に吹く様々な風を表わしているようなものもあります。
星の動きから方角を出すため、空に手をかざして星の動きを観測そして記憶し、方角を見極めていきます。航海規模によりますが事前に数百の星の動きを頭に入れるのです。また、動きだけでなく色や輝き方、ほかの星たちとの関係性も含みます。
もちろん星なので、日中は見えませんし、天気の良くない日も見ることができません。
そのため、星だけではなく、他のあらゆる自然のサイン(風・波・漂流物・匂い・鳥・海洋生物など)を手掛かりに進むべき道を見極め航海を進めていきます。 -
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- 我々は2009年頃から日本国内でもこのWayfindingの航海を実践しながら学んできました。
訓練用のカッターボートに寝泊まりや煮炊きできるようにして、この航法で10代学生達を連れて富山県の新湊から佐渡島まで帆走航海したり、小型のヨットを使わせて頂き東京湾入口から八丈島往復航海も経験しました。
当時、GPSやコンパスなしで航海できると信じていなかった、そのヨットのオーナーが嘘を暴こうと一緒に航海をしてくれました。実際は全くそのことに気づかず航海していましたが、オーナーは厳しく僕を監視していたようです。今でもその方はお付き合いがあり、今では楽しい笑い話となっています。 -
- 航海では「自分が出てきた場所(出発地)」「自分が今いる場所(現在地)」「自分達がどこに行くのか(目的地)」この3つがとても大切です。それを常に心に持ちながら、向くべき針路を定めてゆくのです。
そのために、日々可能な限り沢山の自然のサインを観察し記憶し読み解く力の重要さをクルートレーニングにおいて伝えています。
そしてこの航海術を本格的に学ぶ場を与えてくれたのがハワイの「ホクレア」であり「ポリネシアン航海協会」です。
僕たちはこれをベースに自分の17歳から始まった航海の経験を織り交ぜて、日本なりのWayfindingを実践し続けています。 -
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ホクレア計画~環太平洋航海~
- ポリネシアの伝統航海術を継承し、世界中を航海しながら環境保全や文化伝承を目的に活動をしているポリネシア航海協会は、1976年のハワイからタヒチへの初航海の50周年を記念して、2022年から2026年まで環太平洋航海を行うことを発表しました。
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- 伝統航海カヌー「ホクレア」と姉妹カヌーの「ヒキアナリア」は、世界46カ国、全345カ所をめぐりながら、太平洋を一周する予定です。
なんと、北米アラスカからアメリカ大陸沿岸、タヒチ、ニュージーランド、太平洋諸島、さらに北上して日本へも寄港する計画で、今からワクワクしています。
およそ66,000kmの壮大な航海の始まりです! -
- ホクレア=ハワイ語でうしかい座のアークトゥルス「歓びの星」
まさに星の航海術を表した代表的なカヌーです。
ホクレアは全長19メートルの船体を2つ平行につなげたカタマラン(双胴船)です。エンジンを使わず風の力だけで航行するため、2本の大きなマスト(帆を支えている柱)が重要で、どんな強い風にもしなやかに対応できるように作られています。
左右の船体にはクルーが休むための小さな休憩部屋が作られていて、3交代制でクルーがこの休憩部屋を共同で使用しています。
因みに・・一番大変なのはトイレ!命綱を付けて行くので、本当に命がけです!
このホクレアの船の詳細は後ほど・・ -
Q. 実際にホクレア航海を経験した奥さんが感じたことはなんでしょうか?
- ホクレアには沢山のメッセージがあり、その時ごとにメッセージが違うような気もします。
まず最初に考えさせられたのが、‟こうしなければならない”というよりは‟自分でそれを考えさせられる”ような感じです。
小さいカヌーの中で心を通わせながら、自分に与えられた役割を粛々とこなして行く、誰も声を荒げたりするようなことはありません。そしてカヌーの入り口はいつも開いているという考えです。開いている扉からカヌーに乗り、自分の役割に責任をもってやり抜く、あるいは結果できないことがあったとしてもそれをやり抜こうとすること。それがとても大事だと。
結局それを選ぶのは自分なんです。人や環境に文句や苦情を言うのではなく、それを変えてゆく、それを超えてゆくために自分自身が黙々とアクションする。行動する。それをまずは教えられている気がします。 -
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これまでの活動内容
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Q. 今まで継続的にしてきた活動はありますか?
- 「海渡塾」という活動を定期的に実施しています。
僕たちが拠点を置いている宮崎県日向市で実施することが多いのですが、文字通り「海を渡る方法を学ぶための場」として開催しています。大人向けの航海術の講演や実践、子供向けのサマースクールも実施していますが、一番長く続けていることは1996年にパラオから三重県との友好の証として託された「カヌー(ツクヨミ)」での活動です。ツクヨミの修繕から始まり、今では航海術を学ぶ学生の実習としても活用できるようになりました。
2016年に進水から航海のルートを決め、2017年に宮崎県の美々津から出港し、伝統航海術を活用しながら少しずつ航海を進めました。もちろんGPSやコンパスは一切使わず。残念ながらカヌーの大きさの問題と、立て続けの台風の打撃により、2019年夏に悔しくも途中で航海は断念することとなりましたが、今後もツクヨミでの活動は続けていきたいと思っています。 -
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- 伊勢ヶ浜の海にて雲の気流を子供に説明する奥さん
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Q:今後の日本航海協会としての目標はなんでしょうか?
- まずは、一緒に学んでくれている大人たちを、そしてその人たちと共に子供たちを海に、航海に連れていくための「舟」を準備すること、そして僕らを導いてくれているホクレアの大きな航海に、僕たち日本航海協会ができることを精一杯やり、必ず航海を成就させることを共に目指す。
次のホクレアの航海は太平洋に存在する日本という国、島に生まれ生きる僕たちにとって、日本という島が太古からどのように大陸や、太平洋とかかわってきたか、そして未来に向かってこれからどのように関わっていくかを真剣に考えるとても貴重な機会になると思っています。これを考えることこそ自分たちの祖先を知り、自分たちがどこから来たのか、そしてどこへ向かってゆくのかを考えることだと思っています。その答えを見いだしてこそ悪化し続ける地球や海の環境に対して本当に取るべき行動をとることができるのではないでしょうか。
次は自分たちのカヌーを完成させて航海を繰り返して経験を積み、十分な準備ができたら、日本から源流の場所まで戻り東に向かって人類拡散の太平洋ルートの航海をすること。これは太平洋民族の海の民がもともと家族だったと確信を持つ旅だと思っています。ここまでは僕自身が何とか生きていないと!と思っています。 -
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僕たちの活動を応援してくれる、心強いサポーター ハワイ州観光局(HTJ)様
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- 今、私たちが暮らす地球は、環境問題、気候変動、資源・エネルギー問題、生物多様性の損失、食糧問題などさまざまな問題に直面しています。ハワイ州観光局は、ハワイの自然や文化を守り、住民の生活と旅行者の体験をより多様で豊かなものにするレスポンシブルツーリズムの考え方を実践するため、「マラマハワイ」キャンペーンを展開しています。
”Mālama Hawaiʻi(マラマハワイ)” とは、ハワイ語でハワイを思いやる心を意味します。何十年後も、何百年後もハワイが持つ素晴らしい伝統文化や美しい自然環境を守っていくために、ハワイ州では様々な取り組みが行われています。山から海まで、ハワイが誇る自然や文化に「マラマ = 思いやりの心」を持って接することの大切さを伝える中で、ハワイを拠点に海や世界各国の伝統文化を継承していくことの大切さを伝えるポリネシア航海協会の伝統航海カヌー、「ホクレア」の活動をハワイ州観光局は応援しています。ホクレアは、2022年から「先住民の文化継承や地球温暖化問題の教育」をテーマに、環太平洋航海を開始します。日本への寄港も予定され、日本航海協会もその活動のサポートを行っています。是非この活動を多くの皆さまに知っていただき、一緒に応援して頂ければと思います。
ハワイ州観光局日本支局長
ミツエ・ヴァーレイ -
支援金の使い道
- 支援金の使い道は、
ホクレアを迎え入れるための準備資金として使用します。
主に航海ルートの情報収集と提供、そしてクルートレーニングです。
準備の中で一番大変なことは、日本近海でどの港の情報をハワイに提示してゆくかです。
台風や低気圧の避難港や緊急的な措置を取れることはもちろん大切ですが、この航海の意義を正しく感じ取り、その意義にあった航海ルートと寄港地(日本のみならず)の情報、そしてその理由を正しい情報としてハワイメンバーに伝えて共有し、協議してゆくことがとても重要だと思っています。
ここに来てほしいだけではなくここに来る意味が大切なのです。
そして、同じタイミングでスタートすることが必要なのは、クルートレーニングです。
一般的な海や船の知識だけではなく、自然のサインを読む力、人と自然との共存を伝えていく場を様々な場所で開催していくこともとても重要と思っています。ホクレアを迎えるためには、教室やネットで勉強して知るだけではなく、身体で体験し五感で感じてほしい。そして体で感じたことについて自分自身の頭や心で考えてほしい。
より多くの方々にこの活動を知っていただき、ぜひ一緒にサポートしていただけると嬉しいです。 -
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一緒に応援&サポートしよう!~リターンのご案内~
- 今回のクラウドファンディングでは、皆で応援できる、そして一緒に星の航海術を学べるような様々なリターンを準備しました。今回限りのオリジナルリターンですので楽しんでみていただけると嬉しいです。
例えば、日本航海協会のオリジナルLOGOTシャツとロングTシャツですが、今回のクラウドファンディング専用に作成しました。特にTシャツとロングTシャツは汗をニオイにしない銀イオンによる抗菌防臭加工がしてあり、吸水速乾の素材ですので、普段使いはもちろん、ぜひ友人や家族と一緒に海で着て一緒に応援しましょう! -
- そして何よりも興味を持っていただけたら嬉しいのが、体験型のリターンです。
長年続けております1本の丸太から伝統的なカヌーを作る体験や、クルートレーニングへの参加、移動が難しい方は星の航海術オンラインにぜひご参加ください。
皆様にお会いできますことを楽しみしています。 -
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最後に
- 生まれ変わるとしたら何をしたいだろうか・・?という問いかけに、僕は何も思い浮かばなかった。きっと同じことをしているのだろうと思います。いつも支えてくれる家族、そして厳しい道を挫けずに一緒に歩いてくれる仲間達と、きっとまた航海をしている気がします。
海に慣れていない人も、今回の事で少しでも興味を持ってくれた人も、誰にでもカヌーの入り口はいつも開いています。「海は、人や島を隔てるものではなく繋ぐもの」